
あいさつ
最近アジアを取り巻くコンテナ航路網の再編が進みつつあり、わが国コンテナターミナルの相対的な地位の低下が懸念されていますわが国コンテナターミナルがアジアの主要ターミナルにハブ機能を奪われた場合、物流と付随する情報、金融、保険等の分野においても国際的企業のアジアの起点がわが国から逃避することにつながり、わが国が国際経済の中枢から外れることも懸念されていますこれを防ぐためには、わが国コンテナターミナルのフルタイム稼働、高速化、効率化等を図ることによりその国際競争力を維持し続けることが必要とされています。
またわが国コンテナターミナルは、最近の輸入コンテナの増加に対応するためのヤードの拡大、モーダルシフトに対応するためのコンテナ取扱いの高速化・効率化、ターミナル内の労働環境の改善、省力化等を図ることが必要とされています。
以上のようなわが国コンテナターミナルが抱える施設不足、用地不足、フルタイム化、高速化、効率化、労働環境の改善、省力化等の課題に対処するための方策の一つとして、(財)沿岸開発技術研究センターは平成6年度から3ヶ年の計画でコンテナターミナルで海上コンテナを自動的、立体的に格納する装置を開発し、これを活用したコンテナターミナルの開発のための研究を実施いたしました。
本研究はモーターボート競走公益資金による日本財団の補助事業として実施したものであり、本報告書はその8年度及び3ヶ年の最終成果を取りまとめたものです。本研究センターは、早稲田大学システム科学研究所の高橋輝男教授を委員長とする委員会を設置し、そのご指導のもとに研究を実施しました。また本研究は三菱重工業(株)のご協力の下に実施しました。これら関係の方々に心から謝意を表します。
平成9年3月
財団法人沿岸開発技術研究センター
理事長 野田節男
目次へ 次ページ
|

|