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もない。(アジェンダには両国著名人の相互訪問、青少年・学生の交換ブログラム、多くの文化的催し物などが挙げられている。)しかしそれとは別に、「独日両国のパートナーシップのためのアジェンダ」を実行に移す際には、両国がそれぞれの地域で果たしている役割に考慮する必要がある。この点に、独日間のパートナーシップのチャンスと限界とが共存しているのである、独日両国が重要だと考える目標や課題のために行動する内容は、ドイツがEU内部において、また日本がその周辺地域において遵守すべき目標と、完全に一致している必要がある。自国周辺各国との間で了承をとり、コンセンサスを形成しておくことによって、より大きな目標実現のための実行力を手に入れ、周辺諸国からの孤立という事態を避けることができるのである。このことは現在、日本にとってよりもドイツにとって、より重要な視点であると思われる。

 自国周辺地域の同盟国に対して適切なセンシビリティーと責任を持つことは、独日関係があまりに緊密で排他的なものであるかのような危倶を第三者に抱かせないという、プラスの、そして決して少なくない副次的効果を持ってくれることになる。というのも、独日両国は、この点に関して、歴史的な責任を負っているからである。

 

 

 

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