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 過渡期を象徴するのは第三に、国家・国民を統合するシンボルの不在である。かっては民族の解放と独立の遺産を体現した毛沢東思想、最近までは「改革・開放」をキーワードにした経済発展の実績を背景に讃?人?世??腓竜’修魏未燭靴討?拭?靴?掘△い泙箍甬遒琉篁困蘯太咾世韻任蓮??腓魄飮?垢襪海箸脇颪靴?覆蠅弔弔△襦2?廖Τ??侶覯未箸靴徳澗療?頬??砲覆辰燭?⊆?海紛チ荼桐?了埔豬从僂?崟萇抔緝戞廚鯊タ覆掘∨??気砲个蕕弔??任??羚饉匆颪梁晋飢修鮟?垢靴拭L啾?貉彖曚?讃?人?世僚斗徂??鮃柔?靴深匆饉腟船ぅ妊?蹈?爾蓮??廖Τ??砲茲辰禿?腟’修魏未燭垢燭瓩防?廚文充妥?粉霹廚鯀喙困靴討い襦」1996年10月の6中全会(第14期党中央委員会第6回全体会議)は「社会主義精神文明建設」の決議を採択し、その復権を目指すが、効果はほとんど望み薄である。
 むしろ、この決議でも強調された「愛国主義(ナショナリズム)」に、統合機能の代行が期待されている。しかし、これはチベット、新彊ウイグル、モンゴルなど辺境の少数民族、台湾そして香港ではそれぞれの「サブ・ナショナリズム」を刺激して、統合よりむしろ分裂・独立の機能を助長しかねない。1996年に尖閣諸島(釣魚島)問題で香港のナショナリズムが過剰に盛り上がり、中国側は対応に苦慮した。97年には新彊ウイグル自治区でのウイグル族による騒乱に対して、中国側は武力鎮圧で臨まなければならなかった。


おわりに

 政治、経済、社会いずれをみても、改革・開放の時代は終わりに近づいたが、それに代る新しい時代のキーワードがまだ見えてこないのである。キーワード探しとその実行を任せられる新指導体制作りこそが、いま中国が取組まなければならない最大の問題である。しかし、いずれもそう簡単に合意が得られる問題ではない。
 本格的な議論は1997年下半期の15回党大会まで先送りされそうである。党大会は過去5年にわたる江沢民体制の実績を総括し、それにもとづいて21世紀に跨る今後5年間の基本方針を決定し、この方針を実施する新しい指導体制を選出するのである。「新しい指導体制」の「核心」には、第3世代の江沢民主席が座るであろう。しかし2002年の16回党大会で三選されて「核心」に選ばれることは、年齢制限からいってほとんど可能性はない。「次の時代」を形成する新しい枠組み作りは、15回党大会で選ばれる第4世代の指導者たちに課せられた課題になるであろう。

 

 

 

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