な立場をとることが多い。
OECDの開発委員会においても、我々は多くの問題、そして新たな共通の戦略について日本と同じ意見である。我々は政府開発援助(ODA)をこれ以上削減すべきでないと考えている。なぜなら貧しい途上国が生き残るには、政府開発援助が依然として重要だからである。他のDAC加盟国を共通の責任から免責してはならず、新たな供与国を動員する必要がある。
我々は日本と共に、補助金も含めた全ての資金援助が調達条件抜きで供与されることを目標としている。従って現在のOECDの規定が、途上国により多くの「value for money」を保証し、国際自由競争のメリットを利用するためには不十分であるとする点で、日本と一致している。また、自由競争は収賄によっても制限されてしまう。そこで我々は日本と共に、国際収賄事件対策に関するOECDの合意を達成すべく努力している。
21世紀へ向けたDACの開発戦略には日本が大きな影響を与えたが、この戦略についても我々は日本と意見を同じくする。この戦略においては手ごたえのある、かつアウトブット指向の目標が、開発促進の枠組条件に関する質的な判断基準と相侯って、パートナーシップに基づく協力と「オーナーシップ」への道を示していることを歓迎する。
WTOでも我々両国は、多国間貿易システムの強化、保護貿易主義の撤廃、世界経済の分業体制への途上国の組み入れといった、ほぼ同様の関心事を追及している。1996年12月、シンガポールで開かれたWTO閣僚会議の成功で、一層の貿易自由化へ向けた積極的な姿勢が示され、それによって、両国の雇用と更なる成長のための政治的な刺激がもたらされた。ドイツは世界第2の輸出国として世界市場が開放されていることに大きな関心を抱いている。従ってブリュッセルにおいても、EU市場が開かれた市場であるように働きかけている。我々が望むのは欧州の要塞ではなく、リベラルなヨーロッパで、日本の友人達とも競争のできるヨーロッパである。シンガポールの会議では当然ながら、我々の希望が全て実現したわけではない。例えば、最貧国に対するWTOの関税緩和措置が充分であるとは思わない。この点では多国間でWTOの前進を図る努力を今後も続けるつもりである。
APEC(アジア・太平洋経済協力閣僚会議)に目を転じると、現在世界で最もダイナミックな国民経済がここに集まっている。APEC全体で、人口は世界の38%、国内総生産は46%、輸出は49%を占める。そこでドイツとEUがAPECの動きに注目することになる。我々にとっては、APECが今後とも多国間の開かれた世界貿易秩序を維持し続けるか否かが重要である。EUはAPECとの関係強化に依然として大きな関心を抱いている。
ASEM(アジア・欧州首脳会議)は我々のアジア政策にとって重要な意味を持っているところから、我々も多いに力を入れている。次回の外務大臣、経済大臣会議は、1999年にわが国で行われる見通しである。ASEMに対して、ドイツは経済分野並びに広い意味での文化交流を中心に貢献して行く。
日本とドイツは5年前、リオにおける環境と開発に関する国連会議で全ての参加国と共に、経済的効率性の高い、社会的に公正な、環境に配慮した開発を目指すことを誓った。