さらに、円滑な交通流を確保するためには、道路等のインフラ整備や交通手段の多くを占めるマイカーへの対応が急務となるが、前者の場合、既成市街地等では道路整備等による交通容量の拡大が、また後者の場合、地域社会やマイカー利用者等のコンセンサスが必要となる。 そこで、限られた空間を有効に活用していくためには、輸送容量の拡大と円滑な交通流の確保が肝要となることに着目すると、 ●空間的効率性の高い輸送システム ●容量・形態の柔軟性を有する輸送システム として、バスの有する意義が導かれる。 また、円滑な交通流を確保していくためには、地域社会やマイカー利用者等のコンセンサスを得た上で、マイカーの使い分けや抑制等の方策を展開し、前掲の輸送システムの有効な展開に資することが必要となる。 3.“環境”に係る社会的意義
バスの有する社会的意義の中で“環境”に係る要素としては、 ◆環境負荷の低減 ◆エネルギー資源の有効利用 があげられる。 前述したとおり、バスはマイカーに比べ輸送人員1人あたりの環境への影響は小さく、またエネルギーの効率的な消費と節減による有効利用が可能という特性を有する。 さらに最近では、複数の動力源を用いて低公害化を図ったハイブリッド・バスや従来のディーゼル・エンジンに比べC02、N0X、黒煙の排出量が少ないCNG(圧縮天然ガス)エンジンを搭載したバスの導入も進展している。また、バス停での乗降や信号待ちでによる停車時での不必要なアイドリングによる排気ガスを削減するため、アイドリング・ストップ・スタート機能も順次採り入れられている。 こうした状況を踏まえると、 ●環境にやさしい交通システム ということが、バスの有する社会的意義として導かれる。
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