5.2 航進・船尾目標方位による横偏位誤差量の推定 目標の方位情報には測定誤差が含まれる。ここでは来島海峡を航行するときに前述の航進・船尾目標方位を使用するとした場合の測定誤差に基づく横偏位量について推定してみた。 方位測定の誤差量としてはおおよそ0.6°であることが知られている。こうした方位誤差に基づく横偏位誤差は、目標の距離に比例して増加し次式で表される。 横偏位誤差量=目標距離・Sin0.6°=目標距離/100 来島海峡を航行する時の航路に沿って、前述の航進・船尾目標による横偏位誤差を推定すると図?−5−2や図?−5−3となる。 図?−5−2は来島海峡を北航するとした場合の西水道と中水道航路における横偏位誤差を示したものであり、同図上の◎印は使用する航進・船尾目標で、○印の中心は航路に沿ったほぼ等間隔の位置を、そしてその半径は横偏位の推定誤差量に相当している。これから北航の場合は津島の一ノ瀬山山頂や津島中央を航進目標とした場合が最も横偏位誤差量が大きく、約45mほどになることがわかる。 図?−5−3は来島海峡を南航するとした場合の西水道と中水道航路における横偏位誤差を示したものである。これから南航の場合は今治港北を航進目標とした場合が最も横偏位誤差量が大きく、約77mほどになることがわかる。 5.3 来島海峡大橋1こよる横偏位誤差量の改善 来島海峡大橋が西水道や中水道にかかると、これを航進目標として利用することができる。ここでは来島海峡大橋を一ノ瀬山山頂や津島中央、そして今治港北に変る航進・船尾目標として利用した場合の横偏位誤差量について求めてみた。 図?−5−4は来島海峡を北航するとした場合の西水道と中水道航路における横偏位誤差を示したものであり、航路上の○印の半径が横偏位誤差量に相当する。これから来島大橋付近での横偏位誤差が改善されることがわかる。 図?−5−5は来島海峡を南航するとした場合の西水道と中水道航路における横偏位誤差を示したものである。これから南航の場合は来島大橋付近、特に中水道で横偏位誤差が最も改善されることがわかる。 5.4 潮流の横偏位に及ぼす影響推定 潮流があると船は流され、それに基づく横偏位は、潮流の航路に直交する成分の大きさと、測位間隔あるいは方位測定間隔に比例する。すなわち直交成分が大きくなれば単位時間当たりの横偏位量が大きくなり、測位間隔あるいは方位測定間隔が長くなるほど、横偏位に気づくのが遅れ、その結果大きな横偏位量となる。 来島における潮流のうち、南流の最強流速のデータを使って、図?−5−1における航路上の潮流成分の内、航路に直交する成分を求めると表?−5−3のようになる。 ここでは潮流の設定航路に対する直交成分をm/Secの単位で表している。符号については、北航する場合の航路を基準として、潮流の直交成分が航路から左の方向に働く場合をプラス、
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