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足してシミュレーション計算を行った。

 

(1)西水道航行時の操縦運動
(i)南流最強時に北航する場合
図?−4−7〜図?−4−9に、南流最強時に西水道を北航中のShip2が同じく北航中のShip1を追い越す場合の2船の航跡を示している。各回における(a)、(b)図はそれぞれ航路の全体図および追越し目標点付近の2船の航跡の拡大図である。また、各図中のベクトルは潮流の流速および流向、船影は被追越し鉛および追越し船の位置を示しており、船影の横に記した数字はシミュレーション計算開始からの経過時間(分)である。
まず、図?−4−7は図?−4−6に示した目標航路において、Ship2がShip1を追い越す時の追越し目標点をA点付近と設定した場合のシミュレーション計算結果を示している。図?−4−7において被追越し船のShip1の航跡を見ると、馬島の西側で変針したあと、目標航路からの変位が次第に大きくなり、追越し船のShip2に接近する方向へ航行している。これは変針直後にShip1は左斜め前方より潮流を受けることになるため、その影響によるものと考えられ、さらに追越し船に接近した結果、2船間の相互干渉力の影響も多少現れているのではないかと思われる。
図?−4−8および図?−4−9は、追越し目標点をそれぞれB点、C点とした場合のシミュレーション計算結果を示している。どちらの場合も潮流の影響により被追越し船Ship1の航路が目標航路から若干ずれる結果となっているが、図?−4−7に示した結果ほど追越し船Ship2とは近接することなく航行することが可能となっている。

 

(ii)北流最強時に南航する場合
図?−4−10〜図?−4−12には、北流最強時に西水道を南航中のShip2が同じく南航中のShip1を追い越す場合の2船の航跡を示している。図?−4−10は追越し目標点をA点とした場合の結果であるが、北航時の場合と同様に変針点付近において潮流の流向が大きく変化している影響により、被追越し船Ship1は目標航路からの大きな変位を生じている。しかしながら、変針後は両船ともに目標航路からの大きな変位を生じることなく航行しており、相互干渉力の影響はさほど現れてないものと思われる。図?−4−11および図1V.4.12は追越し目標点をそれぞれB点、C点とした場合の結果であるが、追越し目標点の位置に関係なく、どちらの場合も変針点付近で被追越し船の航跡が一時的に目標航路から大きくずれる結果を示している。したがって、この航路のずれは潮流の分布に起因するものと考えられ、相互干渉力の影響に比べて潮流が船の操縦運動に及ぼす影響が大きいものと考えられる。

 

(2)中水道航行時の操縦運動
(i)北流最強時に北航する場合
図?−4−13、図?−4−14には、北流最強時に中水道を北航中のShip2が同じく北航中のShip1を追い越す場合の2船の航跡を示している。図?−4−13は図?−4−5に示した

 

 

 

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