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通峡後に対応している。総舵角量の変化は3min.〜8min.に増加しており、総舵角量増加の2分後にSNS値は増加していることが読みとれる。
?CASE6:西水道北航中間時被験者A(図?−3−23参照)
SNS値の増加が9min.〜14min.に見られ、その時の船位は馬島〜今治間通峡前から馬島〜今治問の中問に対応している。総舵角量の変化は14min.〜19min.に増加しており、総舵角量増加の5分前にSNS値は増加していることが読みとれる。
(4)考察
?中水道南航、潮流が憩流の場合、馬島〜中渡島間の最狭部への変針操船の間、また通峡後次の針路への変針操船の間に最も負担が増加していると推定される。舵角量からもこの間に操船が困難である事が推定される。
?中水道南航、潮流が中間の場合、馬島〜中渡島の最狭部通峡後の次の針路への変針操船の間に最も負担が増加していると推定される。舵角量からもこの間に操船が困難であると推定される。
?中水道南航、潮流が最強の場合、馬島〜中渡島間の最狭部への変針操船の間に最も負担が増加していると推定される。舵角量からもこの間操船が最も困難であることが推定される。
?西水道化航、潮流が中間の場合、馬島〜今治間の最狭部への変針操船の間に最も負担が増加していると推定される。舵角量の変化は、SNS値の変動との対応はみられないがSNS値の増加は通航操船の計画に関わる心理的負担が影響している可能性がある。

 

3.2.4 まとめ

 

本年の検討においては、負担に対する生理的反応を評価指標として用い、解析を行った。
結果として次の結論を得た。
SNS値は操船が困難であろうと考えられるところ、またはその前後にて増加の傾向が見られ、大略妥当であると考えられる。しかし、操船者によりSNS値変化は差異があることがわかった。またSNS値の絶対値で負担度を評価するには不明な部分が残っている。この点に関し更なる検討が必要である。
操船負担の推定に関し、生理的反応以外の方法については既に文献(1)で検証されていることから本年度の作業から除外した。来年度はこれらの結果を検討し、充実した評価手法を求め、利用していくことになる。

 

文献(1)小林弘明、竹内昭文、内野明子:
2nd'rytaskによる人間の作業負担評価について
日本航海学会論文集 第91号 平成6年9月

 

 

 

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