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3.2.3 生理的反応に基づく操船実験解析

 

(1)解析手順
来島海峡の中水道、西水道での操船実験に対し生理的反応を用いて操船負担を確定する。
以下の解析手順に従い、SNS値の時間変動を求めた。

 

?操船者の心拍変動データ(心電図記録)から“R−R間隔”を求める。
?上記?にて得られた“R−R間隔”より0〜5分、1〜6分、2〜7分…と1分ずつ移動して各5分間毎のスペクトル解析を行う。
?上記?のスペクトル解析により“SNS値”を求める。
?上記?の“SNS値”の時間変動と対応する船位との関係を求める。
?“SNS値”の変動と操舵量との関係を解析する。

 

(2)実験内容
今回の実験は、被験者A、B、Cに航行海域と潮流の強さを変え、現行法規である海上交通安全法第20条来島海峡航路の順中道西に従うことを条件として行った。
その実験内容は以下のとおり。(詳細は第?編2章を参照)

 

?CASE1:被験者B 中水道南航 憩流時
?CASE2:被験者C 西水道北航 憩流時
?CASE3:被験者B 中水道南航 最強時
?CASE4:被験者C 西水道北航 最強時
?CASE5:被験者A 中水道南航 中間時
?CASE6:被験者A 西水道北航 中間時

 

(3)解析結果
?CASE1:中水道南航憩流時被験者B(図?−3−20参照)
SNS値増加が5min.〜10min.、12min.〜終了に見られ、その時の船位は馬島〜中渡島間通峡前後に対応している。総舵角量の変化は2min.〜7min.および10min.〜15min.に増加しており、総舵角量増加の0〜3分後にSNS値は増加していることが読みとれる。
?CASE5:中水道南航中間時被験者A(図?−3−21参照)
SNS値増加が10min.〜15?in.に見られ、その時の船位は馬島〜中渡島通峡途中から通峡後次のコースヘの変針終了に対応している。総舵角量の変化は10min.〜15min.に増加しており、総舵角量の増加とSNS値増加時は同時期であることが読みとれる。
?CASE3:中水道南航最強時被験者B(図?−3−22参照)
SNS値増加が5min.〜10min.に見られ、その時の船位は馬島〜中渡島通峡前から

 

 

 

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