ここに、環境ストレス値を、以下のように定義する。 《外乱影響や操船水域の制約など操船環境に起因する負荷(操船環境ストレス)と他船の存在や交通の輻輳など交通環境に起因する負荷(交通環境ストレス)とにより構成され、当該航行区間に潜在する危険顕在化の恐れに対する危険感を基にして、当該航行区間における操船上の困難感を表現する定量指標》 3.1.4 環境ストレスモデル(1)の提案 (1)操船環境ストレス値の定義 ・船と操船者をとりまく環境の種類は、図?−3−1に示すような階層構造で構成されると考える。 ・このステップでは、操船者と操船環境とのつながりを操船者の危険感の面から分析する。 ・ここで対象とする操船環境は、1隻の剛体としての船の運動に物理的に影響を及ぼしたり操船水域における行動の自由に空間的に制約を与えたりする自然的、地形的、施設的環境条件をいう。 ・与えられた環境条件下に潜在する危険の顕在化のおそれに対し操船者に課せられる負荷を【環境ストレス】、その負荷の大きさを【環境ストレス値】と定義する。 ・この負荷が操船環境に起因するとき、これを【操船環境ストレス】と呼び、他船の存在や交通流に起因して操船水域が制約される場合、これを【交通環境ストレス】と呼ぶ。 一般に、周辺に障害物のない広い水域を航行するときは、操船者は船橋にあっても危険の切迫に対し負荷は感じないが、水路が狭く制約されたり危険が真近かに迫る水域を操船するときは、危険の切迫に対して負荷(ストレス)が増す。このようなとき、操船者は、速力を減じて切迫する危険に対して時間的余裕を作り出し、物理的に精神的に
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