2.2 操船シミュレータ実験による検証 潮流シミュレーションの結果得られたデータの中から、南流時の状況を最強時(中水道中央付近で南流約9.0ノット)、憩流時(同、北流約0.4ノット)、その中間(同、南流約3.6ノット)の潮流場を操船シミュレータに再現し、内海水先人3名を被験者として操船実験を行い、被験者に実験中および実験終了後、流況に関するコメントを聞き取り調査した。 被験者のコメントは以下のとおりである。(操船実験の詳細は?編2章を参照) (1)流況について ?南流強流時、中渡島南側に大きな渦が発生し、深喫水の場合南航時には左に船首を取られることがある。渦は目視で確認することが可能で、通常はこれを避けるように操船する。実験でも寄せられると思い警戒したが、予想していたほど圧流されなかった。 ?南流強流時、中水道を航行する場合、潮流の主流を航行するように中渡島寄り(中水道の3分の1程度の離岸距離)に航行する。 ?南流強流時、西水道を北航する場合、小島東側での設定された潮流は少し弱い。通常はもっと馬島側に圧流される。 ?南流強流時には馬島北側に渦が発生する。 ?南航時、針路122°から中水道に変針する付近で東方に圧流されるのは現状と一致する。?通常は、潮流によるヨーイングのため頻繁に舵をとる。 ?来島大橋の橋脚が潮流に及ぼす影響が懸念される。 (2)景観について ?実験は来島大橋完成後の景観で実施したが、実験前にヒアリングした航進目標等は現状に基づくものであり、橋完成後にはそれに適した航進目標に変更する必要がある。 ?距離感が実際と若干異なる。 ?全般的には臨場感があり、訓練等には効果的である。
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