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2. シミュレーション結果の検証

 

2.1 実測値による検証

 

「調和定数を基本としたモデル」(水路部のモデル)による計算結果と実測資料「来島大橋海峡部地質調査(その2)流況調査工報告書(昭和63年10月本四公団)」および財団法人日本水路協会の「来島海峡潮流変化調査報告書(昭和58年3月)」により比較検証した。
なお、両調査の方法は航空写真から流況解析されたものである。

 

2.1.1 来島大橋海峡部流況調査報告書(本四公団)との検証

 

検証は、昭和63年8月29日09時27分から09時37分の南流時(流速8.4Kn潮汐表予報値)に実施された流況解析資料により作成された横断分布図と、水路部のモデルによる流況推算図から作成した横断分布図により行った。(図?−2−1)
中水道は比較的よく合っている。西水道では、北側の2本の横断線はまずまずであるが、南側の横断線では主流域においては水路部のモデルの方が流速が弱くなっている。東水道では流動場に主流域の相違が大きく、同モデルのデータを検討する必要がある。
なお、同報告書には「SEPを利用して自記潮流計で観測を行った結果、潮流計の測定にはSEPそのものの影響が大きく作用することが考えられるが、写真から測定した流向および流速とは比較的よく合致していることがわかる」と述べているが具体的な比較資料はない。

 

2.1.2 来島海峡潮流変化調査報告書(水路協会)との検証

 

同報告書の調査による、昭和57年10月4目から8日に撮影された航空写真による流況解析資料から、10月8目10時59分から11時19分の南流時(流速7.3ノット潮汐表予報値)の流況図と水路部のモデルの同日時の推算流況図から横断分布図を作成し、比較検証を行った。(図?−2−2)
全体的に主流域の流速が水路部のモデルで弱くなっている。特に西水道の主流域の流速に相違が大きくみられる。
なお、同調査報告書では流況解析の検証のため海上調査を実施している。その方法は漂流ブイを流し、漂流した距離と時間によって算出した流速と撮影図化による流速によって比較している。

 

すなわち、流速比は、以下の値として定義している

 

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