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1. 成人歩行

まず、大股速足のエクササイズーウォーキング(図1)を検討するため、成人の日常歩行の筋電図パターンをみることにした(図2)。
筋電図上段の黒い横棒は右足が地面に接している接床期(立脚期)、白い横棒は右足が地面から離れている離床期(遊脚期)を示している。
後足が床から離れる寸前に、大腿の前方学上(股関節屈曲)に働く太もも前面の大腿直筋、足首の曲げ(足背屈)に働くすね前面の前脛骨筋に集中した放電(burst)がみられた。また、着地前後において着地の際の衝撃を吸収するため、ふくらはぎの腓腹筋を除く他の下肢筋に集中的な放電がみられた。

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図2 成人の日常歩行の筋電図

筋電図上段の黒い横棒は接床期(立脚期)、筋電図下段の白い横棒は離床期(遊脚期)を示している。
一方、接床期の後半、踵押し上げ(push off)に働く腓腹筋に集中的な強い筋放電がみられ、これが前進力を生み出していることがわかった。しかし、この間他の下肢筋にはほとんど放電が認められないのが、成人の日常歩行の大きな特徴である6−9)。
日常歩行は速足歩行に比べ、離床期・接床期とも下肢の筋放電は弱く、軽い負荷運動であるが、長時間行なうことによって足先が床から離れる時

 

 

 

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