日本財団 図書館


 

 

うことである。1930年代以降生まれた子どもたちの75%が第一子と第二子である。出生率を著しく高くするには、第三子出産が大幅に増えなければならないことになる。
したがって、スウェーデンの合計特殊出生率の動向を理解するには、以上述べた3つの要因を社会・家族政策の発展と関連づけながら分析する必要があるであろう。

 

7.1 初子出産

初子出産の高齢化:
カップル形成と同居に入る平均年齢が若くなったにもかかわらず、1960年代の初め頃から、初子出産年齢が高くなってきていることが明らかである(図11)。つまり、同居が、直ちに家族形成や子どもをつくることにつながらないことを意味する。また、20代の若い女性の生産力が低下し、30代の女性のそれが上昇していることも指摘される。第一子出産の中位年齢(median age)は、1945年生まれの女性の24.2歳から、1965年生まれの女性では27.3歳と高くなってきている。しかし、初子出産の高齢化が子どものいない女性の増加をもたらしているということではない(図12)。
1960年代末からの結婚率の低下によって、非婚姻(事実婚)家族に生まれる子ど

 

図11 特定年齢別・出産年次別女性1,000人当たりの初子出産数:1965−1994年

062-1.gif

出所:SCB 1995:2.3 p.12

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION