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5.2 検証

 

5.2.1 想定地震の設定

 

濃尾地震と同位置・同規模の震源として図5−2の様な震源設定をした。図中には線震源と点震源が入力されているが、線震源は濃尾地震で活動が著しかった根尾谷断層であり、点震源は震央とされる地点である。
今回の検証では、この2つの震源から点震源を採択し次のような震源設定をおこなった。

 

震源位置:図5−2で示されている点震源
震源深さ:22.5km
マグニチュード:8.0

 

5.2.2 距離減衰式の比較

 

本システムでは各地の基盤面加速度を求めるときに距離減衰の回帰式を用いているが、そのときに3つの式から選択する方法を採っている。ここでは3式の比較をおこない相対的な特徴を見る。
図5−3は検証で用いた震源位置での距離減衰式の変化である。縦軸は加速度、横軸は震央からの距離を表している、横軸は震央からの距離であるので、0?で既に震源からの距離は22.5?となる。
3式を見ると距離が近いところでは福島・田中式、安中式、翠川式の順に高い値を示しているが、各式とも算定値は400ガル程度であり差はほとんど見られない。
震央から10?地点の値を見ても順序は変わらない。ただし福島・田中式と他の2式との間に若干の差が見られる様になる、
100?地点の値を見ると最も高い値を示しているのは福島・田中式で220ガル程度、次いで翠川式130ガル、安中式93ガルである。福島・田中式と安中式では算定結果に倍以上の開きがあることがわかる。
以上からわかるように、3式を比較すると常に高い値を示しているのは福島・田中式である。安中式と翠川式では10〜20?間で上下が入れ替わるが比較的近い値を示している。距離減衰の比率から見ると、高い順に安中式、翠川式、福島・田中式の順になる。

 

 

 

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