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2.4 地震動計算の考え方

本章1節で触れたように、本調査研究での地震動の伝わり方は震源から基盤を伝わり各地へと波及してゆき、各地の基盤から地盤の形質によりながら増幅して地表面の地震動となると考える。ここでは地震波が基盤面を伝わる際の距離減衰式、各地の基盤面から地表面へと伝わる際の増幅率、また地表面加速度から震度を求める回帰式について解説する。
2.4.1 震源
地震動を計算するとき、重要な要素となるのは地震の規模である。地震動の計算や被害想定では、どこで、どれだけの規模の地震が発生したかを明確にしなければならない。
震源は地震動を発生する構造の違いからいくつかのモデルに分けることができる。主なものをあげると、プレートテクトニクス理論に基づくプレート境界面(プレート間)での地震や活断層(プレート内)での地震、火山性の地震など地震の発生には様々な形式がある。また、地震が発生するときの断層の動きも、正断層、逆断層、左ずれ断層、右ずれ断層などの組み合わせがあり(図2−19)、地震のメカニズムの違いにより地震動には様々な違いがおることがわかる。
本調査研究では、断層形態の違いによる地震動の方向性は定義せず、地震動は方向の偏りなく各地へ伝わるものとしている。ただし、震源域の形態による地震波の影響は考慮して線震源と点震源のいずれかを選択できるものとする。また規模(マグニチュード)は断層の長さや面積で回帰することもできるが、ここでは断層の形態に関わりなく入力により決定している。これに深さ(km)を加え、3つの情報を震源情報とし地震動の算定をおこなうこととする。

 

 

 

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