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第2章市町村地震抜書想定システムの考え方

阪神・淡路大震災に見られるように、都市の直近で発生する地震は甚大な被害をもたらす。こうした大地震に限らず、都道府県や市町村は想定される災害に対応すべく地域防災計画を策定し、日頃からの防災活動や発災時の活動計画の策定をおこない、災害に伴う被害を少なくする様に努めている。
こうした地域防災計画の策定にあたり、その前段階として予想しうる災害の内容とそれに伴う危険地域を把握することが大きな意義を持つ。ここでは被害想定のシステムに対する検討を行う。

2.1 地震被害想定の算定手法

本調査研究は、簡易に市町村の被害想定を行うことを目的としており、2つの特徴があげられる。
1つは地理データーの保守形態としてポリゴンデータを用いるている点、メッシュデータのように対象地区を格子上区切ることなく、既存の地区形態を用いることで、微地形分類に対応し市町村が地域防災計画を策定する際の重要な情報手段となるべく詳細な情報を持つことを可能としている。一般に、ポリゴンデータはメッシュデータと比べて面積に規格を持たないことから、比較などを行う際には不敵な場合もあるが、本調査研究は地域間の比較を目的とするものではないためポリゴンデータによる地理情報の管理を選択している
1つは、市町村で被害想定を行う際には、より簡易なシステムが必要と考えられるため、ここでは地震モデルとして比較的簡易なものを採択することでシステムを容易に扱えるものとしている。具体的には、図2−1の様に、地震動は地震が発生したら距離が離れるに従って減衰しながら基盤を経由して各地へ伝わり、各地の地盤の特性によって増幅度合いを変えて地表の地震波として伝わるとしている。
以上が、本システムの算定における特徴である。

図2−1 地震動の伝達モデル

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