今回調査を行った町家及びその他の建造物の棟数は全部で162棟で、その内訳は主屋134棟、離れ・隠居5棟、蔵・倉庫15棟、洋館5等、宗教建築(神社・寺)3棟であった。また、これらの成立年代は明治初期(元年〜15年)8棟、明治中期(16〜30年)14棟、明治後期(31〜45年)21棟、大正期35棟、昭和初期61棟、昭和20年代14棟、昭和30年代以降9棟であった。各地区ごとの棟数の分布状態は材木町9棟、西町30棟、春日町2棟、油津1丁目49棟、油津2丁目21棟、油津3丁目40棟、油津4丁目11棟で、油津1丁目が最も多い(表1)。ここでは、そのうちの主屋134棟を取り扱い、油津の町家の間取りの特徴を述べていくことにする。