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付属資料1

広島方式と称されるFRP廃船処理方式について

 

海洋レジャーが盛んで釣り船やヨットなどプレジャーボートの多い瀬戸内海では、最近、小型ボートや個人の釣船で廃船となるものが急に目立つようになり、船舶航行の障害となるばかりでなく、海洋を汚染する原因ともなるため、平成6年5月頃から、瀬戸内海等を管轄する第六管区・第七管区海上保安本部において、これらの廃船を除去するための廃船指導票(放置自動車の指導票に当たるもの)による指導によってその処理を所有者に求める施策を実施した。(海上保安庁では平成7年度からこれを全国で実施している。)
個人所有の廃船は、廃棄物処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という)では一般廃棄物に分類されるが、処理困難なFRP廃船は市町村では処理できないことが多く、この儘では折角の廃船処理指導が旨く機能しないことから、第六管区海上保安本部が広島県と協議して生まれたのが、この「広島方式」といわれるFRP廃船処理方式である。

 

FRP船は、昭和30年代から作られ始め、軽量、堅牢、耐久性、水密性に優れ、工作の容易さとコストの安さ等で従来の木造船に代わって急激に増加し、これらが30年以上を経過して漸く廃船となる時期が到来したものであり、現在はまだ少ないが今後は急増することが予想されている。
一方、前記のようにFRP製のプレジャーボートの廃船は一般廃棄物扱いのものが多いが、市町村の一般廃棄物処理ルートでは収集、中間処理能力の関係から処理できない場合が多く、かといって処理能力を持つ産業廃棄物処理ルート(漁船等の廃船処理を行っている)に直接依頼することは廃掃法上できないという矛盾を抱えたまま現在に至っている。
これらの現行の矛盾を解決する方法として考え出されたのが以下の「広島方式」である。

 

○一般廃棄物廃船処理の広島方式
?@ 県下にある産業廃棄物処理業者で収集・運搬及び中間処理業許可を持つもののうちFRP廃船の処理を行った実績のあるプレハブ工業(株)(以下「A業者」という。)を選定。
?A 県から沿岸市町村に対して、廃船の処理に関する一般廃棄物処理業の許可をA業者へ与えることについて要請。
?B A業者は、一般廃棄物の収集・運搬及び中間処理業の許可申請を沿岸部の全市町村に申請し、市町村は個々に審査の上許可を与えるかどうかを決定。ただし、許可の条件として、当該市町村内の既存の一般廃棄物処理業との過当競争を避けるため、例外なく処理できる一般廃棄物の範囲を「廃船の処理」又は「FRP廃船の処理」に限定している。

 

 

 

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