
[提案内容の解説]
1. プレジャーボートの廃船処理関係
1)プレジャーボートは僅かな例外を除いて個人が所有する場合が一般的である。その廃棄は法律上一般廃棄物として扱われることになるため、廃船の処理責任を排出者と市町村に求めることは筋ではあるが、舟艇業界を含めた当事者間の球のやり取りが体制の構築を難しくしている現実を踏まえ、プレジャーボートの製造・販売及び購入時に遡って責任を分散する(つまり、物の製造・販売・購入は、廃棄物の製造・販売・購入に等しい。)という考えを導入するとともに、処理資金の原資の一部に預託金制の採用や保険制度を活用することで問題の解消を図ることとした。 なお、プレジャーボートの定義に含めるには議論のあるところであるが、小型漁船等の業務船が役目を終えたあと個人に譲られ、釣り船などのレジャーに使われる場合が多々あり、これも廃棄の時点ではプレジャーボートの一つと考えることとした。また、この処理体制では、排出者(所有者)が廃棄の意思をもって排出する廃船を主体に組み立ててたが、所有者不明廃船の処理が問題点としては大きいことから、これらの廃船をできるだけ削減するシステムの実現を同時に図っていくこととしている。 2)廃船の処理責任の所在については、いろいろ議論のある所であるが、排出者、市町村を除けば直接的責任はないと捉らえられ、解決の目途が立ちにくいのが廃棄物問題の共通するところである。このため、まず責任の範囲を明確にすることで将来体制における関係者を特定することとした。 3)廃船処理預託金制度、積立共済保険制度と廃棄物処理センターの設置は、市町村の要望、所有者アンケートにおける所有者責任に関する意見を尊重し、前述の責任分散の考えから新艇購入者、各代に亘る中古艇所有者等にも幅広く処理費用を負担していただく制度として導入した。この制度の運用の中心となる組織として処理センターを置くこととしたが、将来的にはFRP漁船業界、その他のFRP製品業界などからも出資を求めて、より効率の良い処理体制に拡大することが望まれる。 4)処理センターは全国に一か所だけで、相談、業者斡旋窓口が限られるため、市町村、製造者、販売店にもそれらの窓口を設け、これを処理センター機能と結び付けることにより、より一層の所有者サービスに務め得る体制とする。 5)所有者不明廃船の処理については、とりあえずは体制?Tをそのまま導入したが、このシステムは所有者責任の放棄を助長する恐れがあり、なるべく早く排出者を特定できる制度や廃船の投棄を取り締まるシステムを動かし、不明廃船の削減を図ることによってこの制度の廃止に漕ぎつけることが必要であろう。 6)広域廃船処理制度の実現は、法律上の制約はあるが、体制?Tにおいてもでき得れば確立したい制度であり、将来は、法的にも認められた形でこの制度が導入できる環境を実現すべきであろう。 7)廃船処理方法の転換、リサイクルの促進は、現状の破砕、埋立が早晩立ちゆかなくなるであろうことを考えると早急な転換が必要となるが、まず開発された技術の中から最良の技術を多少コスト
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