
県を除いては皆無と言ってもよい。 ?E 自動車・家電の両業界とも、少数の大手企業が中心となって業界を支えており、多品種少量生産の企業はほとんど無いため、対策が大手主導で進められるのに対して、舟艇業界は中小の企業が主体で、一品注文生産の零細企業も数多く見られるため、業界の対応力に格段の差があると言える。 ?X. FRP廃船処理体制構築の必要性と問題解決の指針
以上述べた通り、FRP廃船処理の問題は処理及びリサイクル技術の開発もさることながら、処理体制の不備が大きな障害となっており、これを解決しない限り将来への展望は開けず、適切、かつ早急なFRP廃船処理体制の構築と実施が必要と考える。 ?T―2に掲げた「?@廃船の放置は目立つ、?A処理費用がかかる、?B市町村に引取って貰えない、?C製造・販売者には処理に関して法的な義務も能力もない、?D適切なリサイクル技術・市場が育っていない」の五つの問題点は、何れもこの問題を解決するうえで重要な要素であるが、中でも良心的な廃船の処分希望者(最終所有者)が処理体制の不備から処理を受け入れて貰えないという現行の体制は、まず第一に改めなければならない問題である。 これに続く重要な問題が排出者不明廃船の処理である。本来排出者が排出の責任を全うすればこの様な問題は発生しないわけであるが、前述の処理体制の不備や処理費用が相対的に高額であること、所有船を特定する制度がないなどの理由から、不本意にも排出者不明廃船が生まれている背景を考え、問題点を醸し出すこの様な要因を解決するための将来に向かっての対策を講じていくとともに、それまでの間は市町村、製造・販売者などにおいて、行政の政策的支援を求めつつ現実的な解決が図れるような体制を早急に構築していかなければならないであろう。 このため、廃船の処理に関する責任を明確にし論理的な体制を構築するために、廃棄物処理に対する関係者の意識の改革、法令改正を含めた行政の弾力的な運用への期待などという基本的な問題の解消をも考慮する必要があり、これらを踏まえた将来的な望まれる体制作りとは別に、今すぐ実現可能な現実的対応を考えた体制も同時に作成しておく必要があると考える。 理想的な将来体制を構築するについては、これらの問題のほか、処理政策、処理技術の方向づけも大きな要素となる。具体的な処理体制構築の前に、廃棄物とその処理について、基本的な問題を整理しておきたい。 1. 廃棄物の発生要因
一般に物品は、次のような原因で不要品となり廃棄される。 a. 持主にそれを使う必然がなくなった時 b. 本来の機能を喪失して使えなくなった時
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