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?W. 他の大型廃棄物における処理システムとそれらとの相違点

 

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という)上一般廃棄物に該当する廃棄物のうち、家庭から出る家具等の大型廃棄物は、粗大ゴミとして有料回収を行っている市町村が多くなってきたが、家電やマイカーが普及するにつれこれら大型の新たな廃棄物処理に地方自治体が悩まされるようになり、最近になって、排出者たる所有者だけではなくそれらの製造・販売者にも一端の責任ありとして、市町村がその処理について協力をそれらを生産・流通した業界に求めるという傾向が生まれつつある。

 

このため、代表的な業界における廃棄製品の処理体制について実態調査を行った。

 

1. 廃棄自動車の処理システム

不要車の下取り制度、中古車販売ルートが確立している自動車業界では、登録制度と相俟って、不要になった車の大部分は所有者から販売店を回収されるため、廃車処理について社会的なトラブルが発生するということは極めて稀であり、問題は殆ど発生しなかった。しかるに、車体の大半を占める鋼材のスクラップ価格が低下するにしたがって、廃車の回収が一部で滞り、5〜6年前からまずオートバイの路上放棄が目立つようになると、それを追うように4輪自動車でもナンバーを取り外して路上に放棄する悪質な所有者が多くなってきた。
このため、地方自治体では、不要車の確実な回収を自動車業界に対し要望するとともに、所有者の分からない廃車については製造・販売者に責任ありとして、廃車処理体制の整備についての協力の申し入れを行った。
自動車業界(自動車工業会、軽自動車協会、自動車輸入協会、自動車販売協会、中古自動車販売協会)ではこれを受けて「路上放棄車処理協力会」を設置して処理を行う体制を整備し、次頁のような処理システムにより処理を実施している。

 

2. 大型廃家電製品の処理システム

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、クーラーなどの電化製品の普及は目覚ましく、最近ではこれが大型化し、かつ、PCBの除去やフロンガスの抜き取りなど専門技術を必要とする廃棄処理が必要になってくるにつれて、地方自治体や一般廃棄物処理業者の手に負えない状況になりつつある。
幸いこれらの家電製品の需要は買い替えが主流になっており、廃家電製品は下取りされて流通機構を逆流して回収される道ができていると言える。
家電製品協会では廃棄物処理法による適正処理困難物(以下「適因物」という)の指定、リサイクル法による主要家電製品の指定を機に、平成6年に業界出資の「廃家電製品適正処理センター」を設立するとともに、適正処理協力協議会を組織し、前記4品目について、この組織を通じての廃家電回

 

 

 

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