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IV−(5) パネルディスカッション(第2ラウンド発言要旨)

 

司会

それではパネルディスカッションに戻りたいと思います。これまでの討議で、苦情救済制度の周知徹底の方法あるいは効果の測定、又は窓口の総合化ということが問題になったかと思うが、時間の都合上、これからは、問題を苦情処理の窓口の総合あるいは連携ということに絞って、議論をお願いしたいと思う、

へーゲルは「専門分化した行政は上に向かって統合されなければならないと同時に下に向かって一つに束ねられなければならない」と言っている。これは、「各種の行政は、国民の便利のために1か所で行われなければならない」ということである。それと同じように、行政相談もいろいろな所に一々行かなければならないというのは、国民にとって必ずしも望ましいことではない。国民にとっての苦情救済ということを考えると、やはり窓口が一つであって、しかも連携が保たれているということが重要なわけであって、そういった問題について、アトランダムに指名させていただくこととするので、よろしくお願いします。

 

野間督司(弁護士)

午前中に申し上げたことと関連するかとも思うが、個々の市民が「どこに相談に行ったらいいか分からない」というレベルで悩み事を捉えて、とりあえず入った所が行政相談所という場合もあるし、あるいは弁護士会が行う法律相談や市役所で行われる法律相談に飛び込む場合もある。それをそれぞれの相談に当たった担当者が正しい形で振り分けるという意味で、相談に当たる者自身が各分野のことをかなり知っておく必要があると思う。

そうでないと、例えば、頼りない弁護士の所で相談した結果、「それは行政庁に言わなければいけないけれど、行政庁に行ってもそういうものをなかなかやってくれない」というような答で終わったら、もう何をか言わんやである。

そこでこの場合は、弁護士に依頼すれば、多少手続きは進んでも費用もかかるということもあり、「これについては行政相談所というものがあって、そこでやるのが最も事案に即して早く解決できる」ということであれば、そういう所へ直ちに「行きなさい」というのではなく、相談機関同士の連携の中で、「私の方から声をかけてあげるから行きなさい」というふうに教示することが望ましい。これは行政相談所に相談に来られた場合も同じだと思う。

相談委員の方が「これは司法的救済を要する、行政相談苦情としては解決できない」というような問題を受けた場合に、「こんなことは弁護士に頼んだらどうか」というのでは、本当の意味での市民サービスではないと思う。この場合はやはり、「行政相談所としては処理できないので、弁護士会の方へ行きなさい」ということになれば、「弁護士会のどこへどう行けばいいのか」という形での具体的な教示が必要であろうし、先程塚本さんが言われた「連携」というのは、具体的に言えば、まさにそういうことだと思う。

 

 

 

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