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カム・チウ・ウン(マレーシア首相府苦情調査局長)

パネリストの皆様方のお話には教えられることが非常に多かった。私は一般的な話としてそれにコメントしてみたい。

このシステムを比較するときに、常に民主的な規範に従って、また、AからBへというような連続体として考えていかなくてはならない。発展の遅れている国であれば、民主主義の政府ということであっても、どうしても権威主義的になってしまう。しかし、他方で、先進国(例えば日本とかアメリカのような)の場合であれば、例えば、人権を巡って議論を闘わせるすることができる。したがって、制度は非常に違っているわけである。だから、そのような一連の連続体の中で一体どこに所在していきたいか、どこにいるべきなのかという問題になるが、まず、考えるべきことは、自分たちの国民すなわち顧客(国民はお客さんであるから)のニーズがどこにあるのかを考えてみなければならない。

われわれの所のケースを申し上げると、われわれの顧客は、どちらかといえば、まだまだ発展途上の段階にあるということで貧困状態の人が多く、なかなか弁護士を雇うことができない。そして、弁護士の所に行くと最初に質問されるのが、「あなたはちゃんとお金が払えますか」というようなことである。しかし、お金のある人でもわれわれの所にやって来る。

そこで、われわれの任務としては、とにかくできるだけ迅速に問題解決をしなければならないということである。もちろんテクニカルな面あるいは法律的な面も考えなければならないが、何よりもできるだけ迅速な行動、迅速な解決が必要である。例えば、年金がもらえないという状況の人がいれば、早く解決しなければ、お金がなくて食べ物が買えないということになってしまう。あるいは学校に行けないという状況であれば、それを早く解決して学校へ行かせてやらなければならない。そこで、その度ごとに、どういうようにして問題解決するかということを決めていかなければならないわけである。私が問題解決をしても、それで満足ができないという場合には、法律に訴えることになるが、そこではいろいろ法的なテクニカルな事柄が出てくるわけである。だから、われわれは弁護士ではないけれど、常に問題のできるだけ早い解決を目指しているわけである。そこで、このわれわれのサービスを市民によりよく利用してもらうためには、まず、われわれのサービスによって顧客である市民に喜んでもらわなければならない。そのためには、そのニーズに必要なその時までに(on time)いつも答えてあげられること、そしてまた、効率的、迅速的で安全なービスを提供することが求められる。

もう一つわれわれの考えなければならないことは、例えば、政府、地方政府あるいは民営企業といったように、それぞれ自分たちの利害関係を持っている当事者たちのことである。これら利害関係を持っている様々な団体、組織などのニーズも同じである。先程出てきたようなISO9000のようなレベルのものを求めており、トータル・クオリティ、コントロール、TQCが必要なわけであり、そのような形でより効果的、効率的に物事を運んでいかなければならない。先程申し上げたけれども、われわれは日本から学んでいる。そして今、実際にそれを実践しているわけである。そして、次の段階としては、おそらく弁護士の方々にもご活躍願うことになるであろう。

 

 

 

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