川崎市がなぜ全国に先駆けてこういう制度を設けたかということについて申し上げれば、先程、司会者の片岡先生からもご紹介があったように、国民の意思を行政に反映させるという制度についての意識・必要性というものが一般に認識されてきたということ、すなわち、いわゆるロッキード事件によって政府や行政に対する不信感が国民の間に一気に広がり、これをチェックする機能が必要だということで、臨調や行革審等においてオンブズマン制度のことも検討されはじめたということから、国民の間に、一般的にオンブズマン制度に対する認識、理解が深まってきたということが背景にあったわけである。その後、川崎市においてリクルート事件が発覚し、市の現職の助役がこれに関わっていたということが判明して、市民としては大きなショックを受けたということがある。相次ぐ市の幹部の不祥事ということで、これは、ぜひそういうものをチェックする必要があろうということで、オンブズマン制度に関するいろいろな講演会やフォーラムが行われるようになって、昭和61年に、市民から川崎市議会に「オンブズマン制度を採用すべきである」という陳情がなされた。