日本財団 図書館


地方公共団体においても各種の相談窓口を開設した。兵庫県では、震災を内容とする県民の問い合わせに応じる総合窓口として、1月25日に兵庫県災害対策本部の下部に「情報センター」を設置し、同センターは、専門的に回答を要するものについては、各部局に設置している住宅、福祉、教育等各種の相談所等につなぐ役割を果たしてきた。その後、同県は、「阪神・淡路大震災復興本部」の設置に伴い、震災復興に関する相談に総合的に対応するため、同復興本部総括部の下に「兵庫県震災復興総合相談センター」を設置し、ここに総合住宅相談、労働相談、年金保険相談など22分野の相談コーナーを設けて対応している。
このコーナーには、「国の行政相談」も設置されており、兵庫事務所と行政相談委員が毎週1回対応している。
また、神戸市、西宮市等においても、住民のニーズに対応するため、相談窓口を開設しており、後述のように総務庁もこれに協力している。(後述「2 兵庫県及び神戸市等における震災に関する相談窓口の開設とその活動状況」参照)

 

(4)震災等不測の事態の発生時における行政相談業務を展開するに当たっての課題及び今後の対応

 

被災者に対する相談窓口の開設に関しては、マスコミ、国会等においても取り上げられ、その関心の高さが見受けられる。
大規模な地震や台風等不測の事態が発生した場合、各省庁、地方公共団体等による特例措置等をいかに被災者に周知するかは本当に困難な問題である。今回の大震災にあっては、各省庁等は種々の方法で浸透を図ったが、総務庁において、前述のような多様な行政相談所を開設し、被災者の多種多様な問い合わせ等に応じたことは、総務庁の行政相談業務の機能を発揮し、行政と被災者のパイプ役の一端を果たしたと思われる。
関係機関等が参加して行った今回の特別総合行政相談所は、総務庁では、従来から春及び秋に「行政相談週間」を設け、開設してきている行政相談所と同じ形態のものである。そのため、基本的なノウハウを持っていたことに加えて、関係機関との連携についても、各都道府県単位に連絡協議会を設置していたことから、これらのことが、今回の相談所の開設に当たって、有効に機能したものと思われる。
しかし、大規模な地震、台風等予測し難い事態が発生し、住民に多大の被害を与えた場合、今回の経験をいかし、関係機関相互における従来の仕組みとは別の新たな役割分担及

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION