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あいさつ

 

運輸省海上技術安全局

船員部長 金丸純一

 

司会の原先生ご紹介ありがとうございました。運輸省船員部長の金丸でございます。

世界海事大学のツァ−デ副学長、国際海事教育者協会の戸田会長はじめ世界の40カ国以上もの国々からお集まりの皆様に、まず最初に日本国政府運輸省を代表しまして、心から歓迎の意を表明するものであります。

また、昨年1月の阪神淡路大震災から力強く復興しつつある国際港湾都市神戸に、これだけ沢山の方にお集まり頂いて、本日無事開会式を挙行出来ましたことを、本会議開催にご尽力頂いた、日本財団、日本海技協会、神戸商船大学はじめ関係各位の皆様に御礼申し上げたいと存じます。

周囲を海に囲まれ、我が国で消費される石油、鉄鉱石等の原材料輸入や製品輸出のほとんどを海上貿易に頼る我が国では、本年から7月20日を「海の日」とし、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う国民の祝日と致しました。この記念すべき1996年に、国際海事教育者会議がアジアで始めて我が国で開催されることになりましたことは、我が国の船員行政に携わっております私どもにとりましても誠に喜ばしい限りでございます。

運輸省海上技術安全局船員部は、船員の労働問題に関する総合調整、ポートステートコントロール、海技資格及び試験制度、そして船員教育と同分野における国際協力等について所掌しておりまして、船員全般について我が国の政策を立案、実行しているわけであります。

皆様ご承知のように、昨年7月の「船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関すの国際条約」、いわゆるSTCW条約の包括的な見直しを受けた改正は、近年の重大海難の多発を受けて、世界的な船員の技術水準を向上させることが第一目的であったと認識しております。

現在、アジア地域は、世界の船員の半分を供給しており、近年その割合は更に大きくなっているばかりでなく、今後予想される船舶職員不足に応えて、更により優秀な船員を世界に供給すべき立場にあります。

そのような中、世界主要海運国の一つである日本で、長年にわたって優秀な船員を育ててきた船員教育機関及び船員行政機関が、アジア地域そして世界の中でこれから果たしていかなくてはならない役割は大きいものと考えており、その一つとして、今回「先端技術と船舶運航」をテーマとする国際海事教育者会議を開催することは、大変意義深いものであると考えております。

この場には、幸いにして世界各国の船員教育機関から参加された先生方がおられるばかりでなく、日本の海運造船関係の方々、さらには船員行政関係者も参加しておりますので、1週間の開催期間中、活発な意見交換が行われ、有意義な討論の場となるとともに、さらなる友好を深めて頂くことにより、世界の海事教育を充実させ、船舶安全航行や地球環境の保護に寄与し、もって世界海運の発展に貢献することを望んでおります。

どうもありがとうございました。

 

 

 

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