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第3章

商取引分野における制度上の課題と解決の方向性


3-1 商取引分野における電子情報化の現状

 

3-1-1 商取引分野における電子情報化に対するニーズ

 

電子決済、電子商取引は個人、企業間の商取引の合理化を実現するものであるが、従来の商取引がどのような点で不都合であり、それが電子化によりどのように改善されるのか、といった電子商取引に対する背景的要因を見極めておく必要がある。

 

(1) 消費者関連

?@ 貨幣の物理的制約の解消

現在、何らかの商品やサービスを購入する時には、一般的には紙幣や小銭を持ち歩く必要があるが、ICカード等の実用化によりカード一枚で様々なサービスを得ることが可能となる。現在出回っているクレジットカードやプリペイドカードでも同じような簡便性を得ることができるが、小額決済に不向き(クレジットカード)、特定の用途にしか使うことができない(プリペイドカード)等の理由で、より現金に近い利便性を持った電子マネーの登場が期待される。

?A 場所・取扱い時間の制約の解消

現在では消費者が商品なりサービスなりを購入しようと思うと、一部の通信販売を除いては自分の足の届く範囲の店舗に限られてしまい、遠隔地に住む人や外国の製品の購入を望む人にとっては非常な不便を強いられていたり、利便性を受けることができなかったりした。また、買物をする時間も店舗の開店している時間に限られ、夜遅くまで仕事をする人や、店舗の定休日に運悪く店舗を訪れた消費者にとっても非常に不便な状況であった。

ホームショッピング、ホームバンキング等の活用により、消費者はわざわざ店舗まで足を運ぶことなく家にいながらにして買物をしたり各種料金の振込等ができるようにな

 

 

 

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