(1) 電子化全般に共通する課題
保健医療における電子情報化については、様々な課題もある。以下では、課題を抽出し、また規制の根拠となっている法律について整理する。
?@ 改ざんの恐れ
a) 問題の所在
電子媒体は、紙等に記載した情報よりも変更・加工が容易であるため、記憶された情報が故意に変更されてしまう場合がある。このような故意に情報を置き換える「改ざん」が、健康保険カード、医療画像、電子カルテ、処方せん・レセプト等に行われた場合、誤った情報に基づいて診療・治療・処方が行われる等による事故が起きることが予想される。
また、情報の誤入力によっても同様に誤った情報も基づく診療・治療・処方の可能性もある。
また、診療報酬についても適切に支払われなくなる可能性がある。
b) 規制の根拠となる法律
・医師法第24条
医師法第24条では、診療の記録を正しく記載するという観点から、「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない」と定められており、また「その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない」とする義務が規定されている。