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(2) 画像の電子保存

医療現場で利用される心電図、超音波エコー、眼底写真、内視鏡写真、手術後の摘出標本やスライド標本、レントゲン関係、MRI(magnetic resonance imaging)等の静止画や、心エコーのような動画を含めた様々な臨床画像を、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体に蓄積して保存する技術である。現在、数多くの医療機関で実施されている。

 

(3) 電子カルテ・・厚生省電子カルテ標準化事業

電子カルテとは、カルテ(診療録)を電子的に記録し、これを保存したものであるが、単なる診療録に止まらず、オーダーエントリーシステム、レセプト電算処理システムも含んだ広い概念として定義される場合が多い。1995(平成7)年より、厚生省では「電子カルテ開発事業」を実施しているが、この事業では「医療情報を統合的に利用する」ことに重点を置き、新しい概念のカルテとしての開発も実施している。

なお、この「電子カルテ開発事業」のフィールド医療機関となっているのは、以下の機関である。

 

表2−1−9 電子カルテ開発事業のフィールド医療機関

・東京大学医学部付属病院  ・大阪大学医学部付属病院    ・国立がんセンター

・国立大阪病院       ・国立長崎中央病院         ・島根県立中央病院

・亀田クリニック      ・牧田総合病院         ・藤森病院

出典:国立がんセンターインターネットホームページ

 

以下の(1)では、その事例を紹介する。

 

?@ 亀田クリニック

a) システム導入の経緯

1994(平成6)年6月のオーダーエントリーシステム稼動を機に、12月に入院において電子カルテシステムのトライアルを開始し、1995(平成7)年4月に新クリニックのオープンと同時に新システムが全面稼動することとなった。

システムの開発は、このクリニックの情報開発部門にあたる亀田医療情報研究所と日本アイ・ビー・エムが共同開発であたった。

 

 

 

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