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1−5 貿易

 

貿易分野においては、日本の企業等が海外との取引を行う際には、外国為替及び外国貿易管理法により、大蔵省の認めた外国為替公認銀行を通じて決済を行うことが定められている、といった問題がある。

 

1−5−1 海外との資金決済

(1)概要

日本の企業が海外との取引の決済を行う場合、大蔵省が認めた外国為替公認銀行を通して為替の取引を実施することが規定されているが、この結果実際に取引を行っている企業は、ネットワークを通じた取引の流れの中で決済まで一括して行うことが出来ず、電子商取引の便宜性が損なわれている。

 

(2)問題となる制度・慣行

外国為替及び外国貿易管理法(外為法)において、国際的な資金決済については大蔵省の認めた外国為替公認銀行を通すことが義務づけられている。

 

外国為替及び外国貿易管理法 第21条 (大蔵大臣の許可を要する資本取引)

居住者又は非居住者が次の各号に掲げる資本取引の当事者となろうとするときは、政令で定める場合を除き、当該各号に定める区分に応じ、当該居住者又は非居住者は、政令で定めるところにより、当該資本取引について、大蔵大臣の許可を受けなければならない。

一 前条第一号、第三号、第四号、第八号又は第九号に掲げる資本取引(第八号に掲げる資本取引にあっては、通貨の金融指標に係る金融指標等先物契約に係るものに限る。以下この号において同じ。)であって、本邦にある外国為替公認銀行が業として行う資本取引及び本邦にある外国為替公認銀行がその媒介、取次ぎ又は代理を業として行う資本取引(同条第三号及び第四号に掲げる資本取引のうち対外支払手段又は債権の売買契約に係る資本取引並びに同条第八号及び第九号に掲げる資本取引にあっては、大蔵大臣の定める要件を満たしているものに限る。)以外のもの 居住者

二 前条第七条に掲げる資本取引 非居住者

2 大蔵大臣は、前項の許可を受けなければならない資本取引以外の資本取引(第二四条第一項に規定する資本取引に該当するものを除く。)が何らかの制限なしに行われた場合には、次に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認められるときに限り、当該資本取引を行う居住者又は非居住者に対し、政令で定めるところにより、当該資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

一 我が国の国際収支の均衡を維持することが困難になること。

二 本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになること。

 

 

 

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