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第 6 章

行政におけるCALS的アプローチ方策


 

CALS的アプローチを始めるにあたっては、前提条件の整備が必要になると思われる。前提条件の整備のためには、第4章で整理した課題の解決が必要である。そのため、前提条件は、環境整備、推進体制、業務の見直しの3点にまとめられると考えられる。

それでは、これらの前提条件をクリアした上で、CALSはどのように導入したらよいのだろうか。ここでは、現在のシステムを活用した電子化、CALS標準であるSGMLの適用、さらにはシステムの統合という段階的な導入が現実的であると考えている。これらの導入手順を考察し、具体的なモデルを示すことにより、実際の文書管理業務の改善の一助となれば幸いである。

 

6−1 前提条件

 

第5章ではCALS的アプローチを進める際の課題を示したが、これらの課題の解決はすなわちCALS導入のための前提条件となると考えられる。

まず、環境の整備として、パソコンの整備とネットワークヘの接続、さらにはシステムの統合というインフラストラクチャーの充実が必要となるであろう。同時に、従来の紙媒体時代の法制度を、ネットワーク社会に対応させるための見直しも急がれている。

また、CALSはデータの標準化と情報の統合を目指すものであるため、推進体制としても統一的な取り組みが必要となると考えられる。具体的には、行政機関においては各省庁を超えたタスクフォースによる強力な推進力が有効となるだろう。

さらに、最も基本的な課題である業務の見直しという点があげられる。業務の在り方を見直してそのプロセスを明確化し、文書管理に関する一定のルールを定めることは、情報の共有化を実現する上で必須条件となるであろう。

 

 

 

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