日本財団 図書館


 

4−4−2 キャタピラ社の事例

 

キャタピラ社では、1日500頁以上の資料の作成、追加、修正、さらには翻訳や発送という作業の効率化を図るため、SGMLを採用し、コストの削減や品質の向上といった効果をあげている。

 

キャタピラ社は運搬機械、ガス分配エンジンで世界第1の企業である。本社はオーストラリアにあるが、世界各国に営業所/支部を持っている。

同社では、マニュアルに関する作業が非常に煩雑かつ大量にある。1日に作成する資料は500頁にのぼり、それら大量の文書を同日中に35ケ国語に翻訳して発送するという作業があった。又、24時間クレーム修理対応を受け付け、さらに24時間以内に修理を行うという同社のサービスは戦略として重要なものであった。これらの作業やサービスの効率化は同社にとっての課題となっていた。

さらに、情報技術の進展と部品の精密化による影響も大きかった。技術の進展は技術マニュアルやサービスマニュアルの莫大化をもたらし、部品の精密化は部品点数の増加によるマニュアルの複雑化をもたらしていた。

このような問題を解決するため、同社ではマニュアルの電子化と管理システムの構築を行った。同社において扱っているマニュアルのような定型的な文書に関してはSGMLの適用が最適である。マニュアルの追加/修正、さらには部品ごとの検索が容易に行えることになるからである。

システム化を進めるにあたっては、同社は以下のようなことを必要要件としている。

・CALS標準に準じる

・文書データの再利用性を高める

・自動編集機能を持つ

・多様化する出力形態に対応する

又、実際の電子化にあたっては、テキストデータにはSGML、グラフィックデータにはIGESやCGMといったように、データ特性に合わせた標準技術の選択を行っている。

又、キャタピラ社では、支社が全世界にあるため、データベースにより情報を共有化し、業務の効率的な推進を図ることは大変有効的なものとなっている。

このように電子化を進めた結果、同社では以下のような効果が実現できたとしている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION