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4−4 海外の事例

 

海外では、日本に比較してCALSの取り組みが進んでいるところが多く、参考となる事例も多い。ここでは代表的な事例として、アメリカの国防総省が進めているJCALSと、オーストラリアのキャタピラ社におけるSGMLを活用したマニュアル管理の事例を紹介する。

 

4−4−1 JCALSの事例

 

JCALSは国防総省内のプロジェクトであり、21世紀における情報共有化環境を整備することを目的に進めているプロジェクトである。JCALSでは様々なアプリケーションを開発し、具体的な取り組みを進めている。効果としては、マニュアルの精度の向上、後方支援活動に係る時間の短縮などがあげられている。

 

JCALSとは正式名称をJoint CALSという。アメリカの国防総省が奨励するプログラムであり、陸・海・空軍、海兵隊、さらに連邦後方支援庁が参加して進められている。

JCALSの最終的な目的は、21世紀における兵器システムの調達及び後方支援において、データの共有環境を整備することである。又、商務省のNIIに対して、国防総省のための情報スーパーハイウェー(DII:Defense Information Infrastructure)の実現を目指すための土台となるものである。

JCALSの基本的な考え方は、“データは一度だけ作り、何度も使用する”、さらに“データを集めるだけで時間を費やすより、何をしなければならないかを考える時間を与える”ということである。これらの実現により、情報の質、適時性、正確性などを高めることを目指している。

JCALSでは様々なアプリケーションを開発している。例えばその代表的なワーキング・グループである「技術マニュアル作成のための管理システム」(TMMS:Technical Manual Management System)では、イージス艦艇システムの文書を維持管理するADCOS(AEGIS Documentation and Control System)をはじめ、米空軍と産業界の間で技術変更提案を完全に自動化するGEMS(GPS Engineering Management System)などの開発が計画されている。

 

 

 

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