3−6−4 コストの削減
CALSの導入により、様々な面でコストの削滅が実現される。例えば、ペーパーレスの実現による文書の保管スペースコストの削減、データの二重入力の減少、調達のグローバル化・迅速化によるコスト削減などが考えられる。
「3−6−2 ペーパーレスの実現」で述べたように、CALSの導入により情報管理における紙の量は激減する。例えば、特許庁では1万件の事例を載せる100冊の広報がたった2枚のCD−ROMに収められるようになったという。100冊の保管スペースにかかるコスト、管理の労力、情報検索の難しさなどを考えるとかなりの効率化が実現されていると考えられる。
又、CALSの実現によりデータ入力を重複して何度も行う必要がなくなる。従来は一度紙に書いたものをオペレータが電子化する、あるいは、A社で電子化した情報を一度印刷し、それをB社に郵送してB社が再度入力して管理する、といった状況であった。CALSを導入することにより、データは一度電子化したらそのまま何度も活用できるようになるので、データの再入力のコストが削減される。
調達に関しては、入札の対象が格段に広くなる。すなわち、CALSを導入している世界中の企業が対象となるため選択の幅が広がり、品質を落とさずにより価格の安い企業を選択することが可能になる。又、実際の取引きに関しても電子データで情報交換できるため、郵送費やFAX代、時間的なロスなどが削減され、コストの軽減につながると考えられる。
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