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3−6−3 業務プロセスの効率化

 

ライフサイクル全体を電子データ化して共有することにより、業務プロセスの効率化が期待されている。又、作業工程を同時平行的に進める考え方であるコンカレント・エンジニアリングや遠隔地のコントロールを可能にするバーチャル・ファクトリーなどもCALSの効果の一部を実現している考え方であると言われている。

 

CALSでは、全てのライフサイクルを対象とするため、業務プロセス全体の効率化が期待されている。従来、紙によって情報交換することにより生じていた様々な時間的ロス−例えば、紙による大量の文書管理、データ入力の二度手間、商取引における処理の非効率、郵送やFAXにかかる時間−などのかなりの部分が効率化され、ひいてはライフサイクル全体の短縮にむすびつくと考えられている。

製造業における同時平行的な業務推進の考え方をコンカレント・エンジニアリング(CE:Concurrent Engineering)と称している。これは、前工程を終えた後に次の工程に入るという従来の進め方を一新し、同時並行的に複数の工程を進める考え方である。

又、地理的条件を問わずに迅速な情報交換が可能になるため、遠隔地の工場を自由に操業するバーチャル・ファクトリーという考え方も一部で実現している。これらの考え方は、厳密にはCALSの一部分を実現しているに過ぎない場合もあるが、その目指す概念はCALSと同様であり、CALSによる効果を一部実現しているものと言えよう。

 

図3−14 製造業における業務の迅速化の概念図

 

071-1.gif (14793 バイト)

出典:NTTデータ経営研究所

 

 

 

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