日本財団 図書館


 

3−2 CALSの定義

 

CALSは情報の共有・活用を目指し、様々な技術や標準を体系化した幅広い概念である。その捉え方は様々であり、各々の立場によって異なった定義が行われているのが現状である。そのためCALSについて考えていくにあたって明確な定義が必要であると考えられ、情報の共有化や技術的基盤といったCALSの特徴を網羅する形でここでの定義を行う。

 

ここでは、CALSを捉えるにあたり、明確な定義が必要であると考えた。しかし、前述したようにCALSは一言で説明することが難しい、様々な捉え方がある中で共通したCALSの主な特徴をあげると以下のようなものになるであろう。

・情報を共有するという考え方

・データは標準によって統一されている

・ネットワークやデータベースなどの情報統合化技術が基盤となっている

・製品やサービスのライフサイクル全体をサポートしている

・主な効果としては、コストの削減、品質の向上、スピードの向上などがあげられる

・官/民が一体となって推進される

 

これらのポイントをまとめた上で、アメリカ国防総省MIL(Military:軍用の規格であることを示す)ハンドブックの定義をもとに一般化すると、ここではCALSを以下のように定義できると考えられる。

 

「CALSとは、標準及び情報統合化技術を用いて、製品及びサービスのライフサイクル全般にかかわるコストの削減、品質の向上、スピードの向上などを行うための、官/民が一体となって推進するアプローチである。」

 

表3−1に見られるように、CALSに関しては様々な団体が定義を行っている。しかし、多少の言葉の違いはあっても、CALSの基本的な概念はどの定義も変わらないと考えられる。次に、このようにCALSの概念が幅広くなった背景について見ていきたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION