第 5 章
官民情報通信ネットワーク構築に関する課題の抽出と分析
5−1 技術的課題
(1) 所要のサービス仕様と課題
官民情報通信ネットワークの構築に際しては、前述のようにサービス仕様に関して、下記の3つの視点を留意したアクセス形態を実現させることが目的である。即ち、サービスヘのアクセスポイントのワンストップ化、ノンストップ及びマルチアクセス化である。ここにおいて考慮すべき点は、アクセスポイントは基本的にコンピュータで構築されるため、具体的な通信形態は、コンピュータ通信により実現される事である。
上記3つの視点のサービス仕様をネットワークとしての技術的課題として整理すると下記のようにまとめることができる。
?@ アクセスポイントの面的拡大
?A アクセスポイントの高稼働化
?B 提供サービスの高度化及び統合化
アクセスポイントの面的拡大については、官民情報通信ネットワークの要素となる個々の通信ネットワークそれぞれの基盤を面的に広げていく観点からと、個々の通信ネットワーク相互間のシームレスな網間接続*13を実現する観点からの技術的課題が抽出される。
アクセスポイントの高稼働化は、1年365日24時間のサービス稼働を前提としたノンストップアクセスポイントを提供することにより実現するものである。この実現に際しては、情報キオスクの配備場所を的確に設定することが必要となり、併せて無人受け付けを可能とするコンピュータ通信によるアクセス形態を採用することが必須となる。
現状普及しつつある官から民への単方向型の行政情報提供サービスから、申請、登録、証明発行等の双方向型インタラクティブな行政サービスを実現させる(即ち提供サービ
*13 官民情報通信ネットワークを介して、民間企業主催のサービスを提供する形態(例:郵便局の貯金受け付け窓口機能を流用して銀行等各種金融/保険企業の預金受け付けをも提供可能とする等)も想定されるが、この形態は、行政サービスではなく、民間企業サービスの範疇として整理できる。このため、本調査研究においてはこの形態のサービスは検討の対象外とする。
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