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4−3 海外の先進事例

 

(1) 諸外国における番号制度の状況

住民記録システムのネットワークを高度に活用するためには、全国共通様式の住民基本台帳カードが必要になる。カードには氏名、住所、性別、生年月日の4情報の他に住民基本台帳コードが記録され、窓口での本人確認に用いられる。

ネットワーク上を個人情報が流通する上で問題となるのは、個人情報の保護の問題である。1980年にOECDで採択された「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関する理事会勧告」では、プライバシー保護と個人データの自動処理及び国際流通との相互に矛盾しない規則と運用を開発することが求められている。わが国では、プライバシーの保護については条例などの整備が図られつつあるが、その自由な流通については諸外国に比較して消極的である。表4−4は既に個人番号制度を取り入れている国の事例である。

 

表4−4 諸外国における番号制度

国名
実施時期
番号の種類
付番主体
人口
(万人)
対象者 番号を利用する
行政分野
アメリカ
1936年
社会保険番号
社会保険庁
25,800 全ての市民、永住者、労働
許可のある外国人
税務、社会保険、年
金、運転免許証等
カナダ
1964年
社会保険番号
人材管理及び開発者
2,730 全ての市民、永住者等 税務、失業保険、年
金等
デンマーク
1968年
住民登録番号
内務省中央個人登録局
514 全国民 税務、年金、住民管
理、諸統計、教育等
スウェーデン
1968年
住民登録番号
国害租税委員会
856 全国民 同上
ノルウェー
1970年
住民登録番号
登録庁
424 全国民 同上
シンガポール
1948年
身分証明番号
国民:国民登録局
外国人:入国管理局
293 全国民及び永住者 各種行政分野
韓国
1962年
住民登録番号
内務部
4,457 韓国籍を有する全ての者 各種行政分野
イタリア
1977年
納税者番号
財務省
5,766 納税者 税務、諸許認可等
オーストラリア
1989年
納税者番号
国税庁
1,728 所得税の対象となる所得を
有する者及び社会保障を受
ける者
税務、社会保険等

資料出所:松永邦夫「住民記録システムのネットワークの構築に関する研究会中間報告について」『地方自治コンピュータ』1995.5

 

 

 

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