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3−2−3 各種申告・手続きのワンストップ化

現状の行政窓口は「業務・機能別窓口」になっているため、住民がいくつかの業務にまたがる申告・手続きを行う場合は、それぞれの窓口に出向く必要がある。たとえば、転居時の手続きの場合、行政関連では、転居届・転入届、印鑑登録、保険・年金の住所変更届、運転免許証の住所変更、自動車の登録変更、郵便物転送願い、転校手続きなどがある。これら以外にも、銀行や電力会社、電気通信会社、ガス会社などに対しても各種変更手続きが発生する。これらの処理を一括して扱うことができる窓口があれば、住民の負担やかかるコストを大きく軽減することが可能になる。

このようなサービスの実現のためには、各行政窓口で利用されているシステムをネットワーク化し、住民情報を一元的に管理・利用可能にすることが必要になる。あわせて、最新のセキュリティ技術を用いた認証技術を確立し、個人情報の保護・管理を徹底しなくてはならない。また、このようなワンストップサービスを本当の意味で実行的なものにするには、地方自治体と中央省庁、さらには公益企業が相互にネットワーク化されることが望ましい。そのためには、オンライン禁止条例の緩和が不可欠である。

 

3−2−4 情報公開

情報公開に対する住民からのニーズは非常に高い。また、国も制度化に向けて取り組んでおり、1996年11月2日には行政改革委員会の行政情報公開部会が情報公開法要綱案を発表した。同要綱案で特に注目すべき点は、行政情報開示請求を国民の権利と指摘していることである。今後、情報公開に対する住民からの要請はますます大きくなると思われる。

しかし、行政機関が公開する情報のほとんどは「紙」を媒体にしたものである。さらに、量的にもぼう大であり、必要な情報を探しあてることは困難である。また、「紙」である以上、その情報の入手には、役所や図書館などに出頭する必要がある。このように、現状では行政から必要な情報を得るためには多くの時間や労力のコストを費やさなくてはならない。

行政から提供される情報が電子化されれば、必要な情報を検索することは容易になる。さらに、電子化された情報がネットワークを通じて入手できるようになれば、自宅からでも行政情報を利用することが可能になる。なお、米国でも政府の情報をCD−ROMやインターネットなどの電子媒体で国民に提供する「電子情報公開法」が成立した(日本

 

 

 

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