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(5)会長の交代
笹川良一会長逝去
 日本財団が設立されて以来、33年間にわたり会長を務めてきた笹川良一会長が、1995年7月18日午後9時、急性心不全のため、東京都中央区の聖路加国際病院で逝去した。享年96歳。
 笹川記念会館で行われた笹川会長の通夜、密葬には、政財界の重鎮を含め4,000名余りが弔問に訪れた。
 「お別れ式」は、9月14日、東京都港区の増上寺大殿で営まれ、カーター元米国大統領をはじめ、約11,000名が故人を偲んで最後のお別れを行った。
 競艇事業と本財団の公益活動を指導し、軌道に乗せた笹川会長は、競艇ファンの支えがあって日本財団の活動あり、という信念のもと、「お父さんお母さんを大切にしよう」「一日一善」などの平易な表現を用い、全国各地の競走場において、直接ファンに語りかけることを常とした。
 笹川会長の逝去後、その研究書や語録などが相次いで刊行された。
 
ハンセン病患者の女性を励ます笹川良一前会長(ネパール)
 
ハンセン病棟でマザーテレサと語り合う
 
笹川良一前会長の葬儀で弔辞を読まれるカーター元米国大統領
 
新会長に曽野綾子氏就任
 笹川良一会長が逝去したことに伴い、後任の会長の互選が行われ、第120回理事会において曽野綾子氏が選出され、1995年12月11日、運輸大臣の認可を受け、新会長に就任した。
 曽野会長は、職員に対して次の三つのことを求めた。
1)常に、仕える者としての謙虚さを失ってはならない。
2)私たちは、お金を差し上げるのではなく、伝達者であるということを忘れてはならない。過剰なくらい、お金と物に対する厳正な気持ちを失わないでほしい。
3)どんなに拒否されても、それが人間としてやるべきだと思ったらやるべきであり、感情ではついていかなくとも、やるべきだと思ったら理性によって相手を愛し続けるということが必要である。
 こうして、日本財団の新しいスタートが切られたのである。
 
寄生虫病のオンコセルカ症予防対策プロジェクトを視察(ブルキナファソ)
 
会長就任後、全国の競艇場を視察
舟券を購入する曽野綾子会長
 
(6)新しい広報活動
CI活動「日本財団」
 広報活動としては、曽野綾子新会長の就任を機に、新しいCI活動を推し進めた。CI展開の柱として情報公開の積極的な推進を掲げ、新たなイメージを創出した。
 その成果が、1996年に定められた「日本財団」というニックネームとシンボルマークである。このシンボルマークは、笑顔に満ちた人の和を表すキャラクターと穏やかな海洋と豊かな大地をイメージしたシンボルカラーで、グローバルに活動する本財団の姿勢を表現している。
 
日本財団のシンボルマーク
 
ホームページを開設
 公式ホームページも1996年8月1日から開設。本財団の先進的な情報公開が始まった。
 さらに、2001年7月25日からホームページを全面改訂し、新しいウェブサイト「六分儀」を開設した。3クリック以内で目的のページに到達できるように分野別の構成とするとともに、情報の更新が迅速にできる仕組みを導入。また、英文ページのほか、競艇交付金の使途を説明した「ちゃっぷん亭」、子供を対象とした「キッズパラダイス」も開設した。
 「六分儀」のニュースや特集記事は、職員自らが執筆し、2002年6月には18万ページビューのアクセスがあった。
 
ホームページを全面リニューアルし、「六分儀」を開設
 
マスメディアを使った情報公開
 情報公開の一環として、1996年から「日本財団をのぞいてください。」をキャッチコピーに、新聞全国版一面で決算広告を始めた。これは、組織および活動の実態を正確に社会に知らせるためである。
 また1997年、政府・行財政改革の一環として特殊法人改革議論の中で「天下り問題」が取り上げられた。このような情勢から社会的要請に先んじて、本財団が助成する団体の官庁出身者を新聞全国版で公表した。「透明性を高める努力は良い印象を与える」など多くの反響を呼んだ。
 
(拡大画面:243KB)
日本財団の決算広告
活動内容や資金の使途について毎年報告している
「関連ホームページ:http://www.nippon-foundation.or.jp/
 
「事業成果ライブラリー」開設
 1998年4月1日から「日本財団事業成果ライブラリー」を開設し、助成事業の関係者以外の人も事業成果を活用できるようになった。
 ライブラリーでは、毎年、約1,300事業、A4判用紙に換算すると5万ページ相当が公開されている。2002年6月現在、約6,000件の事業、25万ページ相当の情報が公開され、月間180万ページビューのアクセスがある。
 また、2000年4月から毎年、決定通知会で年間を通じて最もアクセス数の多い事業を実施した団体を表彰している。
 
助成事業の成果を活用できる
「事業成果ライブラリー」
 
情報発信機能を備えた新社屋
〜大型ビジョンによる情報提供の開始
 新社屋の情報発信機能の1つとして壁面に大型ビジョンが設置され、2001年7月から情報提供を開始した。
 公益活動への支援を通じて知り得たデータや、活動の現場から寄せられた知恵など社会に役立つ情報を、周辺を行き交う人々に提供するためである。さらには、防災や災害など人道目的に使用されるものである。
 2001年9月12日の放映は、急遽内容を切り替え、前日に発生した「米国同時多発テロ事件」による犠牲者および救助のために生命を捧げられた方々へ哀悼の意を表した。
 
電光掲示板を活用して積極的に情報発信を行う



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