人類の歴史において、科学技術はつねに新しい知見と手段を提供し、人類社会の進歩と発展の原動力になってきた。特に近年、科学技術は著しい進歩を遂げ、あらゆる活動の基盤となり、人類社会にきわめて大きな影響を与えるに至っている。このため、人類および社会と十分に調和し、人類の福祉に貢献する科学技術のあり方を探究するとともに、その一層の推進を図ることが、今日の人類に課せられた大きな課題となってきた。 とりわけ、天然資源に恵まれず国土も狭小なわが国が、今後とも国民生活の向上を実現していくうえで、科学技術の果たす役割はきわめて大きい。また、諸外国においても、経済発展などの諸課題を解決する原動力としての科学技術に対する期待は大きなものとなっており、国際政治の場においても、科学技術協力が主要なテーマとなっている。 このような背景のもとに、21世紀を創造する科学技術に関する国際的な博覧会をわが国で開催しようとする機運が高まり、昭和50年代から建設がすすめられてきた筑波研究学園都市の成熟を図るねらいもあって、政府において検討がすすめられた。 その結果、国際科学技術博覧会が国際博覧会条約に基づく特別博覧会として、筑波研究学園都市を会場に60年3月17日〜9月16日に開催されることとなった。 わが国で3番目の国際博覧会となるこの国際科学技術博覧会は、多くの国と民族が「人間・居住・環境と科学技術」のテーマのもとに集い、相互理解と国際協調の場をつくり、あわせて青少年に対し未来の科学技術を正しく理解させ、科学技術を通して人類の希望に満ちた未来の創造に寄与することを目的として計画された。 本会をはじめとするモーターボート競走業界は、この博覧会を成功させるため、政府の要請に基づき財国際科学技術博覧会協会に対し、特別協賛金あるいは補助金として約90億円を支出した。 これらの資金は、万博中央駅、駐車場、シャトルバス、HSST、協会本部ビル別館、プレスセンター等の建設整備費および医療、消防救急、催事等の開催運営費にあてられた。 この国際科学技術博覧会には、内外から21世紀をめざす人類を勇気づける高度で多彩な技術が幅広く出展され、会期中の入場者も2,000万人を超え、大変な成功裡に閉幕した。
特別協賛金等内訳 モーターボート競走関係団体 58億7,400万円 日本船舶振興会 特別協賛金 30億9,600万円 補助金 2,905万円 ――――――――――――― 合計 89億9,905万円 |
来場者でにぎわう会場
国際科学技術博覧会会場全景
ジャイロスコープ型日時計とシンボルタワー
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