1960年代後半、アフリカのスーダン、サヘル地域の大干ばつをはじめ大規模な白然災害が各地に発生したため、従来から各国政府、国連機関、赤十字その他の奉仕活動機関によって行われていた世界的な緊急救援活動を、さらに強化する必要が生じてきた。 1971年(昭和46年)の国連総会において、救援活動のより急速な動員と系統的な調整を図り、援助物資の浪費や重複などを防ぐための機関を、国連内部に設置する旨の決議が採択された。 この決議に基づき、国連災害救済調整官事務所(UNDRO)が1972年3月に設立され、ジュネーブを本拠として活動を開始した。発足後の10年間にUNDROが救援にあたった大災害は215件に達し、直接・間接にUNDROを経由して行われた援助の総額は12億ドルに及んだ。 その後、UNDROでは災害に対する全世界の人々の意識高揚を図るとともに、防災のための科学的・社会的活動を助長することを目的に災害防止賞の創設を計画し、そのための基金設立への協力要請が本会になされた。 本会はその趣旨に賛同し、これに協力することとなり、昭和61年度に本会がUNDROに拠出した100万ドル相当額を基礎的財源として笹川−UNDRO災害防止賞が設置された。 この賞は、毎年、災害の予防・予測準備体制の強化などに著しい貢献をした個人・機関を顕彰するものである。受賞者の選考はアジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパおよびUNDROの代表で構成された選考委員会で行われ、本会はオブザーバーとして同委員会に参画することとなった。 災害防止賞の授与式は、ジュネーブで定期的に開かれる国連経済社会理事会の夏季会合の際に行われている。 |
1991年(平成3年)の授賞式の模様を報じるUNDRの機関誌
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