本会は昭和51年度からUNICEFの行う教育振興、飲料水供給、疫病抑制、児童の健康、内戦時における母子救済等の各種事業を支援してきたが、昭和61,62年度にはスーダン紅海州における給水・衛生プロジェクトとモルジブにおける教育振興プロジェクトに協力した。 スーダンは干ばつの影響で1985年(昭和60年)に1,150万人の国民が危機的状況に見舞われたが、とりわけ砂漠をひかえた紅海州住民の受けた被害は甚大であった。この地方の住民は牧畜を生業とし、交通の便はラクダに頼るなど昔ながらの生活様式を維持しており、政府による基礎的な保健サービスの提供も十分ではなかった。干ばつにより限られた水源から得られる水の80%は汚染され、栄養不足や各種の感染症から幼児を中心に多くの住民が死亡した。 スーダン政府は紅海州を特別支援地域に指定し、生活の基礎となる飲料水の確保を最重点に取り上げ、基礎的保健サービスの改善に力を入れることとなった。UNICEFはこれに協力し、1987年から2か年計画で給水・衛生事業を実施することとしたので、本会はこれを積極的に支援した。 本会が支出した資金は、集落単位での井戸の掘削と手動ポンプ・給水場の設置、従来の伝統的な井戸の修復、水源保持のための施設の補修、灌漑ポンプの設置、住民参加による環境衛生運動の推進等に活用され、紅海州75万住民への清潔な水の提供に寄与した。 1980年代の半ば、モルジブの文盲率は18%にも達していたため、モルジブ政府は1995年(平成7年)までにすべての子供に普通初等教育を施すことを目標として、UNICEFの援助のもとに、1987年から2か年計画で教育推進プロジェクトに取り組んだ。 本会はこれに積極的な資金協力を行い、その資金は、カリキュラムの開発、教科書・指導書の作成、教育施設の修復・改善、ラジオ放送事業の整備等、教育諸資機材の提供と専門家の育成を通じ、同国の教育基盤の確立に役立てられた。 |
すべての子供にきれいな水を
すべての子供が適切な教育を受けられるように
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