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(昭和60年度〜平成3年度)
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第4節 国際社会におけるわが国の責任と役割の増大
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国際社会におけるわが国の責任と役割の増大
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わが国の国際的地位が向上し国際社会で果たすべき責任・役割が増大するなかで、本会は各種国連機関との絆を一層強化するとともに、民間団体としての機動力をフルに発揮し、国際社会の要請に応えるための努力を重ねた。 開発途上国の食糧問題については、これまで国連機関や国際機関のさまざまな活動を支援してきたが、1984年(昭和59年)にアフリカ大陸を襲った大飢饉を機に、1986年からアフリカにおける主食穀物の自給体制確立を目的とした「アフリカ行動計画」を展開した。このプロジェクトは今日、点から線へ、線から面へと大きな広がりをみせ、国際的にも高い評価を得ている。 一方、21世紀を間近に控え、次代の地球社会を担う人材育成をめざし、ヤングリーダー奨学基金の策定、中国医学奨学生の受入れ、途上国の海事専門家の育成、途上国における女性の地位向上等に努めるとともに、ハーバード大学国際問題センター、オーバーブルック盲学校、オックスフォード大学への奨学基金設置等各種プログラムを開発・支援している。 保健・医療の面では、開発途上国における保健・医療水準の向上とあわせ、特に国際的協力が強く求められているエイズ、がんおよびチェルノブイリ原発事故医療を援助している。 また、ソ連・東欧経済圏の崩壊は第2次世界大戦後の東西冷戦構造の終焉をもたらすと同時に、インドシナを中心とするアジア情勢にも大きな影響を及ぼし、世界の歴史に新しい1ページを開いた。しかし、計画経済から市場経済への移行は容易ではなく、戦後廃墟のなかから急速な復興を果たしたわが国に対し援助・指導の要望が強く寄せられるようになった。そこで笹川中欧基金、笹川南東アジア協力基金および笹川日中友好基金の設立に協力し、わが国とこれら諸国との国民レベルの相互理解と交流促進に取り組んでいる。 |
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