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(昭和60年度〜平成3年度)
第2節 量から質の時代へ
3.先駆的・モデル的事業の展開 医薬分業の推進
わが国の保険医療のなかで薬剤師は、医薬品の調剤・供給、その他薬事衛生業務を通じて、国民の健康を確保するという重要な使命を担っている。しかしながら、近年、医学・薬学の進歩にはめざましいものがあり、これまでの調剤中心の業務から、医薬品の有効性・安全性を確保するための情報活動や患者の薬歴管理など、新しい業務への変革が求められ、その内容は多様化・高度化してきている。
また、高齢者のかけもち受診による重複投与、投与禁忌医薬品の投薬などの弊害が社会問題化しており、今後、社会の高齢化に対処するには、薬剤師のあり方を含む医療制度・構造の再編成が不可欠の課題となっている。
その一環として、医師とは独立した立場から、薬剤師自らが患者の薬歴管理・服薬管理を行う仕組みづくり、すなわち医薬分業制度の確立に向け、薬剤師の資質向上および職能集団としての育成強化が急務と考えられ、平成元年6月に(財)日本薬剤師研修センターが設立された。
本会は、高齢化社会を支える医療制度の重要な担い手の一つである薬剤師の役割に着目し、同センターに対し補助を行っている。これらの資金は、同センターの財政基盤の強化に役立てられ、薬剤師生涯教育の視点からの各種研修事業、とりわけ医薬分業推進教育を実施する指導的な薬剤師の養成などを通じ、地域医療の向上に貢献している。
日本薬剤師研修センターによる
薬剤師指導者研修会

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