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(昭和60年度〜平成3年度)
第2節 量から質の時代へ
2.生活文化の多様化と国際化・情報化の進展への対応 笹川平和財団の設立
今日、運輸・交通および通信機器の発達、情報量の増大、資本の移動、貿易の自由化等によって、企業活動の範囲や人々の交流は一国の枠を越えて拡大し、国家間の相互依存関係が一段と深まり、国際化の時代を迎えている。一方、国際社会は近年、環境汚染、資源の枯渇化、都市化の進行、核兵器による脅威など多様な問題をかかえており、これらの問題は一国では解決できず、多くの国が共同して対応していかなければならない状況となっている。
こうしたなかで、わが国は国際社会から、その経済力にみあった役割発揮が期待されており、これに応えるには、政府主導の国際協力はもちろんのこと、民間主導の幅広い国際交流の促進が必要である。このため国際活動を目的とする各種財団の増加がみられるようになったが、いずれもその歴史は浅く財政的に脆弱であり、国際化に対応するにはなお基盤は不十分である。
以上の諸点から、民間レベルの国際交流事業を国家的見地に立って本格的に推進するため、昭和61年9月に笹川平和財団が設立された。
笹川平和財団は、グローバル・コミュニティーの意識に根ざした総合的な国際交流財団として、運輸・海事をはじめとする学術・社会・文化等の諸分野における国際理解と国際交流および国際協力を推進するための事業を実施し、さらにこれらの事業の振興に資することによって、人類の福祉と健全な国際社会の発展に寄与し、世界平和に貢献することを目的としている。
笹川平和財団の設立趣旨に賛同したモーターボート競走業界は特別競走を開催し、61年度から10年間にわたり、計500億円の基金補助を行うこととなった。
同財団は設立初年度にエルサルバドル地震被災者救援のため、日本ホテル協会の協力を得て中古毛布を輸送、赤十字や孤児院に配布するなど12事業を実施したのを手始めに、平成3年度では約100件の事業を行う財団へと発展した。
笹川平和財団の関心領域は次の3分野であり、本会は同財団の活動を支援している。
(1)全世界的政策課題
(2)人と情報のネットワーク
(3)草の根アプローチ

フィリピンでのNGO活動



笹川平和財団設立発起人会
(昭和61年8月)



世界NGO東京会議
(平成2年7月)


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