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(昭和60年度〜平成3年度)
第1節 夢のある造船業へ
3.マリンスポーツの急速な進展への対応 マリンスポーツへの対応
余暇の増大、リゾート地域の開発、リゾート施設の建設等に伴って、レジャースポーツが発展し広く普及し、今後さらに発展することが予測されていた。特に四方を海に囲まれているわが国では、国民の海洋志向は著しく、海洋リゾートの整備、ウォーターフロントの開発に伴って、ヨットをはじめとする各種のスポーツや海洋性レクリエーションをめぐる動きが活発となり、将来、より以上に拡大することが考えられた。ヨットやモーターボート等小型船舶を用いたスポーツやレクリエーションの健全な振興を図る重要性がますます高くなってきたのである。
このような状況にかんがみ、(財)マリンスポーツ財団は、モーターボートなどの船体・機関・付属用具に関する調査研究、各種競技会の指導援助、モーターボートなどの操縦・整備の技術指導、各種施設の保有・共用、マリンスポーツに関する広報宣伝・国際交流などを実施して、モーターボートなどマリンスポーツの健全な発展を図っており、本会はこれらの事業に補助金を交付して支援している。
さらに、平成3年7月設立され、各種の調査研究、海難救助システム・緊急医療システムの整備運営、小型船舶操縦士資格の海技従事者国家試験実施事務、小型船舶操縦士資格試験員の養成研修、小型船舶職員の養成および安全講習会などを実施している(財)日本海洋レジャー安全・振興協会に対しても補助金の交付を行っている。
また、小型船舶については所有者を特定する制度がなかったため、各種施策推進の基礎的要件である正確な保有隻数が把握できず、各種のトラブルも発生しており、これらの小型船舶の利用者を保護する体制の不備が目立っていた。
(財)シップ・アンド・オーシャン財団では、平成元年度、2年度に実施した実態調査、調査検討結果を基に利用者の保護対策として小型船舶特定制度の検討を行い、このような事態に対処するため「小型船舶特定制度の確立のための調査研究」を行った。本会は、この事業に対して補助金を交付して支援した。
マリンスポーツの発展とともに、これらの海難事故の発生も年々増加し、そのなかでも特に水上オートバイの事故が、海技に関する知識の不足や技術の未熟から多くみられるようになった。そこでこの種の事故を防止するために、教育実習用器材を整備して、操縦者に海技知識や操縦技術の講習を実施し、安全航行の徹底を図り、海難事故を防止しようと、平成3年度から、(財)尾道海技学院、(社)中国船舶職員養成協会、(財)関門海技協会が「小型船舶安全講習用器材の整備」事業に乗り出した。
本会は昭和40年代からこの3団体の船舶職員養成用教育器材の整備等事業に補助金を交付し、海難事故の防止活動を継続して支援してきている。

 
 [上]ジェットスキー
 [下]熱海オーシャンカップレース(平成3年)

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