IFIASおよびバーバラ・ウォード記念基金への協力 地球人口の急激な増加と工業化の進展は、自然環境や居住環境の破壊、食糧問題をはじめ、人間の生活と生命に関わるさまざまな深刻な問題を生じさせた。こうした背景のもとで1972年(昭和47年)6月、ストックホルムで開催された第1回国連人間環境会議では「人間環境宣言」とあわせて行動計画が採択され、居住環境を改善するために、政府および国際機関がとるべき対策について100を超す勧告が行われた。 これらの勧告に基づき、同年12月、環境の重大な変化を監視し健全な環境保護を奨励・調整するための機関として、国連環境計画(UNEP)が創設された。 国際高級研究所連合(IFIAS)は1972年に設立された非営利の民間団体である。人類が直面している地球的な問題を明らかにしてそれに対する明確な政策・方策を開発し、各国政府および国際機関等の意思決定者に提供・利用させることを目的としている。 IFIASはその活動の一環として、1981年に「ABCプログラム」の策定をUNEPから委託された。このプログラムは、適正な環境、社会基準を維持しながら天然資源をよりよく活用しようとする際に発生する諸問題に対し、実際的解決法を見出そうとするものであり、1986年6月にUNEPにその報告書を提出し、任務を完遂した。本会は昭和54年度から59年度まで継続してIFIASに資金を支出し、このプログラムの推進に貢献した。 一方、「環境と開発国際協会」が環境問題を扱う民間団体として1971年に設立され、その後バーバラ・ウォード女史の会長就任に伴い、開発問題も扱う団体として新たなスタートを切った。以後、同女史は1981年5月に死去するまで、地球上の限りある資源をいかに持続させながら貧しい人々の生活向上を図っていくかという開発問題に熱心に取り組み、協会の発展に尽くした。 同女史の死後、その生涯をかけた事業をさらに発展させるため、女史と親交の深かった人々によりバーバラ・ウォード記念基金を設置しようとする運動が起こった。本会は、同女史の残した偉大な業績を引き継ぎ、環境と開発問題の総合的な発展に役立てるため、この記念基金の設立に積極的に協力した。 |
第1回国連人間環境会議(1972年6月 =昭和47年、ストックホルム)
悪化する地球環境 |