経済活動の国際化がすすむにつれ、海外に在住する日本人は年ごとに増え、邦人子女の数も増加した。これに伴い、昭和50年代から世界各地で日本人学校の整備が本格的にすすめられ、現地の学校・父兄・進出企業・大使館が一体となって運営が行われるようになった。 しかしながら、開発途上国においては、過酷な気象条件や治安上の問題から徒歩通学はきわめて危険であり、また、現地の住宅事情により遠隔地から通学せざるをえない子女も多い。こうした事情から登下校用のスクールバスは必要不可欠であるが、進出企業の数が少ない小規模な日本人学校においては、学校運営そのものに父兄や進出企業は大きな経済的負担を強いられており、自力でスクールバスを購入あるいは買い替える財政的余裕に乏しいのが実情である。 このような背景のもとに54年、緊急に整備を必要とする開発途上国の日本人学校8校から本会に対し、スクールバス寄贈の要請がなされた。 本会としては、スクールバスは児童・生徒の登下校時の足の確保のみならず、遠足、社会科見学などの校外学習活動や、現地の他校とのスポーツ・文化交流にも活用され、国際理解の促進にもつながるとの観点から、この要請に積極的に協力することとした。 55年度にアラブ首長国連邦、ケニア、ギリシャ、コロンビア、ペルー、グアテマラ、スリランカ、インド、中国、パキスタンなど14か国の日本人学校に各1台を寄贈して以来、平成3年末までに、40か国の日本人学校54校に対し、買い替えを含め延べ99台のスクールバスを寄贈した。 |
アルジェ日本人学校(アルジェリア)
コタキナバル日本人学校(マレーシア)
本会に寄せられたアブダビ日本人学校(アラ ブ首長国連邦)の子供たちの寄書き |